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畑の中の空き家を住みびらきの家に

住みびらき × 子育て・農・食・エシカル

「 “ケレケレ” はフィジー語でシェアという意味があり、“服を貸して” とか “食べものシェアしよう” など、なんでも使えるんです」

一平さん・和美さんご夫妻は、青年海外協力隊として2年間フィジーで過ごしました。フィジーでは、例えばスーパーで○○円足りないとき誰かが出してくれたり、タクシー一緒に乗ろう、などシェア文化が根付いており、困難なことがあっても救われたといいます。お子さんが生まれたばかりのお二人は、街中での子育てに孤独と息苦しさを感じていた中、フィジーで経験したシェア文化に希望を見出します。そこにもともとお二人となじみが深い「農・食・廃棄物」に関する興味が結びつき、現在の活動へ。

「住みびらきのお家ケレケレ」は、シェア文化を武器に、子育てや農・食・廃棄物削減=エシカル(倫理的・道徳的)消費にまつわる課題を解決していくための拠点です。


空き家のシェア活用を実現するため移住を決意

もともと農業に興味があった一平さん。神戸市の農村起業のセミナーに参加します。そこで出会った受講生の一人が子育て支援NPOを主催、今のケレケレの前にある畑と納屋で活動しており、数年間空き家だったこの家も借りたかったけれど、家賃が払えるめどが立たず断念していました。一緒に空き家の中を見た一平さんは、「縁側がステキだしここで一緒に何かできたらいいな」と感じたそう。そこで「僕たちが借りて住みますので縁側のお部屋を使って下さい」と提案し、移住が決まりました。

「目の前で畑ができそうだし、実家も六甲道で近い。当時灘区で教員をしていたのですが、朝はバスが3分に1本出ていたので全然通えるなと。縁側のお部屋は借りてもらえるめどもあるし、地域の方にも出入りしてもらえたら子育てもみんなで楽しくできるかなと。いろいろな条件がそろったのがここでした」

和美さんは前職が廃棄物処理会社でした。

「廃棄物削減や環境問題について考えを突き詰めていくと、最終的には人の暮らしや考え方が変わらないと解決できない、というところに行きついた。ケレケレを拠点に、地域の人をはじめ、オンライン上でもエシカルな消費や暮らしについて情報交換できるコミュニティをつくりたかった」


畑の中の古民家だから広がる活動

空き家への移住に当たっては「雰囲気も暗いし、床もギシギシとたわんでいた。住めるようにするのにどれくらいの金額がかかるか不安だった」とのこと。前述のセミナー事務局の方から紹介された建築士にみてもらったところ、幸い屋根や構造に致命的な老朽化はなく、キッチンの入れ替えと最低限の床・壁仕上げの改修で住めるように。地域で使ってもらう部屋の改修には、神戸市の「空き家・空き地地域利用応援制度」を充てられました。また、家族で使いきれない部屋をレンタルスペースとして貸すめども立ちました。

「まずはここを知ってもらうことも大事。改修のプロセスをDIYワークショップにして、遠方からもフローリング張りや塗装、漆喰塗りに来ていただきました。漆喰塗りの時は古いビーズやお庭に落ちているはっぱを埋め込んだんですよ」と楽し気に話します。

「廃棄物を減らすため、岡山から油屋さんを呼んで油を搾るワークショップをして油を量り売りしたり、スパイスや酒粕なども量り売りをしています。北区の養蜂家さんの蜜蝋を使って、蜜蝋ラップのワークショップなんかもしています。オンラインで生産者さんの話を聞いたり、コミュニティも広がっていますよ」と和美さん。

前の畑も区画ごとに賃料を設定して貸農園に。お庭と縁側、レンタルできる洋室も使って、“ケレケレマーケット” という小さなマルシェも開催するなど、家と環境をめいっぱい使って活動を広げています。今後はシェアハウスや学童保育もはじめたいとのことでした。


大切なのは"動きながら考えること"

「実は臆病なタイプなので一歩踏み出すのは難しかった」と和美さん。一方で、最悪でも死ぬようなことはないだろうと、移住に踏み切ります。「思いはたくさんあっても、それをどう実現していけばいいかわからない。それでも移住することは先に決めていた」と一平さん。

拠点づくりと事業づくりを徐々に実現していく過程には、紹介してもらった建築士さんの存在も大きかったといいます。

「どう形にしていいかわからないものも含めて思いをぶつけてみたら、“ではこの壁は抜いてキッチンとお部屋をつないだ方が使いやすいですね” とか “それはやらないほうがいいです” などのアドバイスがもらえた。企画に踏み込んだ改修の提案があったので、こちらもそれを踏 まえてさらにやりたいことが明確になっていきました」一方で自分たちは運が良かったとも。

「たまたまつながりの中で紹介してもらえたけど、思いを紐解いて形にできる人にどう出会えばよいかわからなかった」

最近は、DIYワークショップの参加者から、空き家を活用して飲食店を始めたいという希望を語る友人が現れたそう。

「薄暗い空き家だった頃から見ている友人が、こんなに人が集まる場所になるなら私もやってみようかなって。ケレケレに関わってくれた建築士さんに相談してみるようです。プロセスを見せて一緒にやってもらったから起きたことかなと思います。」

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